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2011年4月8日金曜日

基本的には原発反対なんだけど、かといって全ての原子炉を廃炉にすれば良いとも思わない。

福島第一原発の事故をうけて、世の中は原発廃絶の方向に傾いているように思う。

子供の頃から原発には反対だと思っていたから良いことだと思ってはいるのだけど、最近は知恵がついて極端なのもよくないと考えるようになってきた。

ニュースを聞いていても、これだけの大事故を経験しても原発は必要だと考える人も少なくないようでした。原発のエネルギーに依存している人が多いということだろうか。

原発がなくても火力発電などのエネルギーで足りるというのはよく聞く話しで、たぶんそうなんだろうなと思う。石油のエネルギーはとても大きなものだしね。

だから原子力発電所はなくても大丈夫といえば大丈夫なはずです。ところが原子炉はないと困る。原子炉で各種の放射性同位体が生成されますけど、中には有用なものもあって医療用の放射線源として使われたり、建築物や溶接箇所の検査に使われたりと、身の回りの身近なところでお役に立っているのです。それに原子物理学や原子力工学とかの分野でも活発な研究開発のためには必要でしょう。まぁ、この程度の目的なら1個か2個の実験用の原子炉があれば足りると思いますが。

それから、これは別の話題になってしまいますが核爆弾を作るのにも原子炉が必要です。戦争で使われるのは悪ですが、飛来する巨大隕石を破壊するには核爆弾を使うしかありません。

日本では核兵器は「持たない」「作らない」「???」ということになっていますが、隕石というか小惑星が地球の大気圏に突入する前に破砕したり軌道を変えたりするための核爆弾なら持っても良いのではないかとも思います。それから木星より遠くの惑星まで往復する宇宙船のエネルギー源としても原子力は今のところ不可欠だと思います。未来の夢物語ですけど、そうゆう夢物語が実現できるような将来まで原子力技術を研究開発する技術者や研究者を育成しておく必要もあるはずです。

石油から取り出せるエネルギーは膨大ですが、原子力はもっと強力です。強すぎるのが欠点でしょうか。首都圏の普通のオフィス街や住宅の電力をまなかう程度なら化石燃料だけで十分だと思います。

しかし、鉄、アルミ、自動車、造船、化学などなど他にもいろいろあると思いますがこのような工場などでは大量の電力を必要とします。日本は工業が優れているから工業製品を輸出することで経済が成り立っているはずです。なので日本の工業を支えるには大量の電力を安定して供給する必要があります。そう考えれば原子力はなかなかに安定した良い電源と言えるでしょう。

止めることの許されないサーバーを24時間365日連続稼働させるための電源も太陽光発電や風力発電を使うより火力や原子力を使った方が安心感があると言って同意してくれる人は少なくないと思います。

なら火力と言われるかもしれませんが、火力に大きく依存する場合は石油価格に電力の費用が連動してしまい経済全体への影響が大きくなります。そのため石油への依存度を下げるには原子力が必要です。原子力ならば石油価格が安定するまでの数ヶ月~数年は補給なしでの電力供給が期待できます。

日本の工業を支えるのに太陽光発電や風力発電などは見るからに役立ちそうにありません。地熱発電は個人的には将来有望だと期待していますが、現在の技術では原子力の方が現実的なエネルギー源でしょう。

放射性廃棄物は手に負えない全くどうすることもできない負の遺産になりますが、強力で安定した電力供給能力とを合わせて考えると、原発は必要だと過去の人たちは考えたようです。

これはそれほど悪い考えではなかったかもしれません。今回の事故をとおして改めて調べたり考えたりしていると、原子力ってけっこう安全に考えを重ねた上で作られているのだなと感じました。それに大電力を安定して利用できた結果として日本の経済を発展させる基盤ができたのだとも思います。

ここでの経済の発展と言うのは贅沢をすることではなくて、死なずに済むはずの伝染病で死んでしまったり、十分な教育を受ける事ができずに労働の機会が奪われてしまうことのないような世の中、世界中から一目置かれるような国にできたということだと考えています。

原発を全て止めて昔のような自然と共にある生活に戻ろうという考えもあるかと思いますが、禁欲的で仙人のような暮らしに耐えられるならそれはとても良い考えに違いありません。

原発や化石燃料を使わない方向で進むなら工業を諦めて金融やサービス業、観光、農耕、水産などエネルギー消費の少ない国づくりにシフトしていくと良いかもしれません。

ただ、日本は工業国で既に多数の原子炉を持っていることから今後は新エネルギーの普及を加速しつつ従来の原子力発電と火力発電、水力発電と地熱発電、その他をバランスよく組合わせて安定した電力供給につなげていくのが現実的な今後の見通しになるのだと思う。震災前よりは火力・水力・原子力の比率では原子力が少なくなって水力・地熱などが徐々に重要になってくるのかなと思う。

それにしても、想定外の巨大地震と大津波でも大事故になったのは福島第一だけだったと考えれば、まあまあ日本の原発も丈夫には作ってあったということでしょうか。今後は既存の原発の改良も含めて、更に丈夫に作って二度と同じような事故を起こさないようにしたいですね。

といっても福島第一は1号炉はアメリカのGE製、2~4号炉も建設は日本企業だけど基本設計は共通という記事を確か週刊朝日で読んだと思う。それによるとMARK-I型原子炉は設計に問題があったらしい。

東京電力のサイトにしっかりと1号炉から5号炉までマークI型と書いてあった。
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/intro/outline/outline-j.html

毎日新聞でも同様の記事があった。
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110330k0000e030026000c.html

それに対してちゃっかりとGEが日本語で釈明している。
http://www.ge.com/jp/news/reports/gereport_march18_11.html

まあ、改良もしていますが基本的に40年前の技術なので古いです。今回の事故は非常用の電源が使えなくなったことが致命的な原因なので原子炉に文句を言ってもしかたがないのかもしれない。しかたがないで済まされる問題でもないだろうが。

1 件のコメント:

shin314 さんのコメント...

本当に小惑星が地球に衝突するような場合は、アメリカやロシアが持っている強力な核弾頭をロケットで打ち上げて、日本の「はやぶさ」みたいなロボットで小惑星まで運んで爆破するような国際的なプロジェクトになると思うので、わざわざ日本が核爆弾を持つ必要性はないんだよね。

自分は日本でも核爆弾を作ればいいのにと考えてしまうのだけど、そういうのは作れるから作ってみたというような自己満足的な願望なのだと思う。

宇宙開発が進んで大規模な工事や小惑星を移動させるのに使う推進用なんかには必要になるかも。小型軽量高出力高品質な日本製核ダイナマイト・・・。需要あるのかな?