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2008年8月24日日曜日

「ガソリン」本当の値段

「ガソリン」本当の値段 石油高騰から始まる“食の危機” (岩間剛一著、アスキー新書)を読んだ。 石油不足と言っても実際は原油が不足しているのではなくて、急増する需要に対して精製が追いついていないのが石油の値段を上げているらしい。精製が追いついていないなら設備投資を行って増産すれば良いのだけど、設備投資には莫大な資金が必要になる。それに設備投資をしても需要がピークを過ぎると今度は逆に過剰生産になって石油の暴落になる。だから現状の減価償却済みの精製工場をフル稼働させた方が収益性が良いという事らしい。  資源ナショナリズムという言葉も出てきた。石油の値段が上がったら産油国は石油資源の囲い込みをして外国資本を追い出そうとする傾向が強くなる。ところが石油の採掘には外国資本の技術的な支援も必要になるので外国資本を追い出すと将来的には採算が合わなくなるらしい。  中国・インドの急激な経済成長も石油の値上がりに貢献しているし、中国・アメリカ・ロシア・日本等の国家間でのエネルギー資源の奪い合いが激しいようだ。ロシアは世界第2位の産油国として急成長中だけど、資源ナショナリズムで国による独占が進んでしまったようだ。例えば天然ガスはガスプロムが独占してしまうけれど、海底の天然ガス資源の開発などは高度な技術が必要で日本などの外国との協力が必要なのに地政学的なリスクで敬遠されたら開発が進まなくなるかもしれない。  アメリカやブラジルでは代替燃料としてトウモロコシ・エタノールが増産されているけれど、今度はこれが食糧生産を圧迫して穀物価格を上げてしまうから困ったものだ。  日本は省エネルギー、エネルギーのリサイクル等の技術で優れているから急成長中のアジアの国々に対して積極的な省エネルギー技術の提供を推進していく事が自国のエネルギー戦略として有効だと書かれていた。そうだろうね、日本の高度経済成長の時の公害問題とかをアジア全体で再現する必要は無い。エネルギー効率の高い方法で経済発展が進むように働きかけないと無駄なエネルギーが消費される事になってもったいない。

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